下北半島へ、憧れの「キハ22」に会いに(6)

<変態鉄>は、かなりのケチである。ホテルに泊まったとき、悩ましいのが“朝食バイキング”、このときも支払った朝食の料金と、用意されたメニューを見比べながら「何品、食べたら、モトがとれるか??」をアタマの中で計算している。
自分の好みからして、パンを中心としたメニューにすると、なかなか金額を稼げない気がして。専ら、和食系...というか、和洋折衷のメニューで攻めることにしている。
そうすると非常に重要な要素となるのが「白いご飯が美味しいか否か??」だと気づいたのである。

最近では、地元県産のお米を使用しているのをPRしているところが増えた。安っぽいファミレスで出てくるような、いかにも...という水準のご飯を出すところは少なくなったような気がする。

入口で受け取ったプレートに「もう無理!!」という位まで、おかずを盛り付けて、ご飯と味噌汁と...、あとはお茶だろうか。そのあたりを持っていったんテーブルへ。
後はご飯と気に入ったおかずを取りに行く...を繰り返しながら。朝食の段階で、会場のイスから立ちあがるのも辛いくらいの満腹になるのである。その後の趣味活動に支障することが多いのだが...。
でも、ホテルを“朝食付き”にした場合、こうしないと納得できない。何としても「モトを取る」というタイプの自分である。

10月20日、青森県の下北半島、大畑駅に残る旧下北交通キハ85形(国鉄キハ22形)を撮りに行った話。

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【2024年10月20日10時33分】 旧下北交通大畑線・大畑駅

いよいよ、20日当日である。
ここまでが長かった。ここから朝8時の路線バスで大畑駅へ。

7時半過ぎにホテルを出ると外は寒かった。雲は多かったが晴れていた朝、太陽が雲で遮られる分、寒くて。
やはり、セーターだけでは無理。急いで、ダウンコートを取り出して。
……  ……

2024年10月20日(日)晴れ

朝5時半に起床、そして、6時半に朝食。急いで部屋に戻って準備をして7時半に出発。前日のうちに“下見”しておいたので、迷わずに、むつバスターミナル。まぁ、バスターミナルとは名ばかり。寂れた商店街にある単なるバス停。バスは8時発、20分ほど早く到着した<変態鉄>が一番乗りだった。

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【2024年10月20日8時48分】 青森県むつ市大畑町庚申堂・旧大畑駅

日曜の朝とはいえ、発着するバスの数は少なくなく。
下北駅からのバスが到着すると、多くの“同業者さん”と思しきカメラを提げた人たちの姿。一斉にバス停や乗ってきたバスを撮り始めて、突然の撮影会状態。

8:00発の大畑経由佐井車庫ゆきのバスは直前に入ってきた。地元の方がと“同業者さん”たちで10名ほど。
すぐに、むつ市街地を離れて、住宅も疎らになって。「はまなすライン」、国道279号線をとにかく北へ向かって。途中のバス停で地元の方は降りていって...

「浜関根口」バス停付近だっただろうか、出戸川にかかる橋のところ、バス通り沿いに鉄道橋とわかる遺構がしっかり残っており。
やがて、海沿いに出て。集落に入ってきたら、まもなく大畑に到着である。バスで25分ほど、むつ市中心部からは15 kmの距離である。

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斧のような形をした下北半島、その刃の付け根のところを縦に進んできた感じである。

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【2024年10月20日8時43分】 青森県むつ市大畑町庚申堂・旧大畑駅

大畑は漁港の街で。ここから、さらに「はまなすライン」を北上した先、下北半島の突端にあたるところに、マグロで有名な大間がある。北海道に一番近く、函館とのフェリーもあって。バスは、その大畑を経て下北半島をぐるっと回って、斧の刃先にあたる佐井が終点である。

バスの乗客は一斉にここで下車したが、大畑にしばらく停まった後、大間を経て佐井に向かう。

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【2024年10月20日8時44分】 青森県むつ市大畑町庚申堂付近

「いかの町、大畑」と、PR看板はあるが、駅は漁港からは離れており。

旧大畑町は漁業の町、JR大湊線・下北駅からむつ市中心部の田名部を経由して、18 kmの路線だった。
国鉄大畑線として、この区間の全線開業は1939年(昭和14年)、大間にあった陸軍の拠点強化のため、下北から大間へと至る路線として計画されたものだった。(大間線は未成線に終わっており...)

特定地方交通線に指定され、1985年に国鉄から、地元で路線バスを運行していた下北交通へ経営移管。3セク化しなかった珍しい路線である。
ただ、転換時の施設・車両の老朽化、輸送量の減少もあって、15年余り経った2001年の春に廃線となった。

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【2024年10月20日8時44分】 青森県むつ市大畑町庚申堂・旧大畑駅

大畑線廃止後は、もともと本業が路線バスだけあって下北交通の路線バスで。ただし、後に代替バスは、今回の佐井線と統合され、鉄道線時代とはわずかに経路が変わっている。ただ、大畑駅舎は「大畑出張所」としてバスの待合所・発券窓口としてそのまま活用されており。

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【2024年10月20日8時45分】 青森県むつ市大畑町庚申堂・旧大畑駅

駅の待合室と改札口...、鉄道時代の雰囲気を感じ取れる仕様で“いまなお現役”。

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【2024年10月20日8時45分】 青森県むつ市大畑町庚申堂・旧大畑駅

2001年の鉄道廃止時、航空会社の社内サークルのような感じだったか...確か、パイロットの中の鉄道愛好者が集まってできた団体(JAS鉄道愛好会)が、キハを駅構内で動態保存するようになって。

後にNPO法人の「保存会」に移って、定期的に公開運転が行われている。(下北交通の事業ではない)

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【2024年10月20日8時48分】 青森県むつ市大畑町庚申堂・旧大畑駅

運転会は10時から。バスの本数の関係で早めに到着したわけだが、まだ保存会の皆さんは到着していないようで駅部分に動きはなく。

長時間停車している、ここまで乗ってきたバスを絡めて、その大畑駅舎を。
周囲を歩き回りながら時間を過ごすのだった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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