早朝の山陰本線キハ47にて

ちょっと仕事がバタバタしていて...

小湊鐵道の撮影記がもう1つと、あと、先日の阪堺電車の撮影会の話題があるが、ちょっと準備が間に合っていない。
ということで、今日も車内放送のコレクションから。ワンマン化や放送機器の更新、自動放送の普及で、徐々に車内放送を録音する“楽しみ”がなくなりつつあった時代。MDを持ち歩いて録音していた中では最後の時期のもの。

このときは<鉄>目的...よりも、むしろ、街歩きなどを楽しみに下関と九州を訪れていたのだった。
関門トンネルを徒歩で九州に渡ってみたり、門司港レトロ地区を巡ったり。下関の街も歴史的な建造物があって。
そんな中、早朝、ホテルにタクシーを呼んで下関駅に向かったのは、2004年2月24日の朝。

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【2004年2月24日】 山陰本線・梅ケ峠-黒井村

当時、ネットは一般的だったが、まだまだ入手できる情報は今と比べれば...

山陰本線の下関口ローカルは、キハ58+キハ28編成が走っている...と、そのつもりで駆けつけてみたら、やって来たのはキハ47形の2両編成。
タッチの差で間に合わなかったみたい。国鉄型が多く残っていたJR西日本管内も、ゴハチニハチは他線区から転入のキハ47系で置換えが進められており。
「前は使っていたけど、いまは、もう...」とは、当日の車掌さん。



それでも、誰も乗っていない早朝のローカル列車。キハ47形の車内でマイクをセットして。
「山陰線普通列車の小串ゆきです」で始まる車内放送を。尤も、下関から幡生までの1区間は正式には山陽本線だろうが...
……  ……

2004年2月24日(火)晴れ

5時過ぎ、タクシーで到着した下関駅はまだ人もまばら。
長距離列車が発着した長いホームに、ぽつんと停まっていたのはキハ47系の2連。黄色に白の広島色は、90年代、雨後の筍の如く各地に登場した「地域色」の中で、自分の中では“傑作”だと思っている。(高岡とかヘンな塗装が多かったが...)

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【2004年2月24日】 山陰本線・梅ケ峠-黒井村

当時の山陰本線、滝部・長門市方面まで直通する普通列車と、小串で折り返す列車が交互に設定されていた記憶。
早朝、5:25発の小串ゆき。日本海沿いに下関市内の区間を進んで30分ほどで海に面した小さな駅に着く...という列車。つまり、下関の車両基地から朝の通勤列車になる車両の送り込みとして設定されていると。

つまり、旅客需要はあまりなく、「録音しやすい」と踏んでの訪問だったが...

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【2001年頃】 山陰本線・小串駅

ゴハチニハチだとばかり思っていたところに、キハ47形がいたのはショックだった。

当時は、全国の普通列車の編成一覧表みたいな書籍が年に1〜2回刊行されており、そこに下関配置のキハ58+キハ28編成と書かれていた...のを頼りに訪れたが、そう、情報の更新のペースは今の若い方からは考えられないペースだった。
別に特急列車などではないので、いちいち、ローカルのキハの車両置換など発表されるわけもなく。“行ってガッカリ”も、当時はフツーのことだった。

さて、録音したサウンド。

発車前の予告放送から、発車後の車内放送が終わるところまでを収録した。(小串まで全区間を録音しているのだが...)

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【2004年2月24日】 山陰本線・梅ケ峠-黒井村

1分を過ぎたところで車掌さんの笛の音が人気も疎らなホームに響き。キハ47形らしく轟音を立ててドアが閉まって。
加速する時に車体がビリビリと音を立てるのもこの車両の特徴だろうか。これを「雑音」と思うか「47らしさ」と思うか...が、フツーの方と<変態鉄>の違いかも。

ホームを離れたあたりで短くオルゴールが流れ。最近は、イベントで<鉄>へのサービスとしてオルゴールを演奏しているケースが多いので、車掌さんも、ゼンマイを少しずつ巻いて調整して、「アルプスの牧場」のメロディ、1コーラス流れるように“頭出し”してから演奏してくれることが多いが、当時は、このチャイム、放送増幅器の下に付いているゼンマイをテキトーに回して流すのが当たり前だった。

だから、キハのオルゴールは1コーラス流れることはなく、途中から始まって途中で終わるのが通常の姿。短いオルゴールに続いて、普通列車らしい簡素な車内放送である。

……  ……

まだ薄暗い中、6時過ぎの小串駅、特にすることもなくそのまま折返したのだった。

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【2004年2月24日】 山陰本線・梅ケ峠-黒井村

そして...

せいぜい、ホームで停車中の列車にカメラを向けるだけだった、当時の<変態鉄>。
この日は異例中の異例だった。途中の梅ケ峠駅で下車してキハを撮りに行った。そう、駅間でカメラを構えること自体が年に何度か...その一度が、この朝だったのである。

冬の寒々しい景色ではあったが、黄色いキハが続けざまに走ってきて。

本当はキハ58系の活躍を撮るつもりだったが、来るのはキハ47系ばかり。それでも、キハ47形の4連はちょっと珍しかったか...

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【2004年2月24日】 山陰本線・梅ケ峠-黒井村

ちょうど、窓枠の取替などを伴う車体更新工事が徐々に進められており、半数くらいの車両が更新された姿になっていたか...

岡山カラーのキハが組み込まれた編成もあって。

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【2004年2月24日】 山陰本線・梅ケ峠-黒井村

そして、この日のメインは唯一の“国鉄色”だっただろうか、短縮されて、すっかりローカル特急になってしまっていた「いそかぜ」号。
キハ181系3両編成の姿を撮って、この日の撮影を締めくくったのだった。

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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