年末年始の“地元電” 〜 井の頭線と京王線 〜(1)待っているうちにレインボー

2023年は、わが地元、京王電鉄にとっては記念すべき年だったとのことで。
いまの京王線は、かつては甲州街道を走る路面電車だった。当初は都電(東京市電)と接続して、多摩川の川砂利を輸送することを狙っていた...ような。その最初の区間として笹塚〜調布間が開業したのが1913年(大正2年)4月のこと。そして、毎日、利用する井の頭線の方は、そこから遅れること20年、1933年(昭和8年)8月に井の頭線の渋谷〜井の頭公園間が開業している。

ということで、京王線開業110周年、井の頭線開業90周年だったのが2023年。

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【2024年1月10日6時21分】 京王井の頭線・渋谷駅

ちなみに、井の頭線は当初、小田急の系列だった。戦時統合で中央線以南の(現在の)京王、小田急、東急、京急、相鉄などが全部「東急」となり(通称・大東急)。戦後、分離独立する際に諸般の事情で小田急から京王に“移譲”されることになったのが井の頭線。だから、軌間も違い...、途中の明大前駅で直角に交わるものの、線路は繋がっておらず。

自分が、井の頭線沿線に越してきたのは1994年、高校生の頃だった。その当時は、まだ由来の異なる2つの私鉄が合わさったということがハッキリ分かる「京王帝都電鉄」だった。(社名変更は1998年7月)

そんなわけで、井の頭線も90周年のヘッドマーク付き編成が登場して。最初は第29編成「レインボーラッピング」、でも、すぐに第27編成(オレンジベージュ)に掲出されており。
でも、なぜか、沿線でカメラを構えるとこの編成には出会えない<変態鉄>である。2023年が「90周年」ということは、2023年末までには取り外されると予想して。もう、何もかもギリギリ。大晦日に線路際に立ったのだった。
……  ……

2023年12月31日(日)晴れ

年末年始は晴れて、穏やかな日々だった。普段の年に比べて寒さも少しゆるんでいて。
実家に寄って、そのすぐ近く、ホント、目と鼻の先にある「久我山3号踏切」へ。

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【2023年12月31日11時48分】 京王井の頭線・三鷹台-久我山

お目当ての編成の他にも、この時期、井の頭線はいつもに比べてヘッドマーク付きが多いようで。
まずは「スキマモリ」、JR西日本が大阪市立デザイン研究所とはじめた「こども隙間転落防止プロジェクト」のキャラクター。東急とともに京王電鉄も、このプロジェクトに参加したとのことで。バイオレットの編成。

でも、一番、撮りたいのは90周年。

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【2023年12月31日11時52分】 京王井の頭線・久我山-三鷹台

歌にも歌われた「神田川」の源流は井の頭池。
井の頭公園 〜 三鷹台間では線路の北東側、ちょうど上り(渋谷ゆき)の進行方向左手を流れているが、三鷹台駅の先で線路の下を潜って。その先は高井戸駅の先まで線路の南東側を流れることになる。電車の右に白い柵が見えているのは、神田川のところ。線路をくぐると両岸は遊歩道になる。

三鷹台駅に進入する吉祥寺ゆきは、第4編成、ライトグリーンの編成。

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【2023年12月31日11時53分】 京王井の頭線・三鷹台-久我山

ちょうど、すれ違って三鷹台駅を通過する渋谷ゆき急行は、ブルーグリーンの編成。

平日も、土休日も、日中時間帯は8分間隔で急行と各駅停車がそれぞれ交互にやってくる。しかも、下り・吉祥寺ゆきが急行だった編成は、折返しの上り・渋谷ゆきは各駅停車で、逆もまた然り。上下とも急行は永福町駅で先行の各駅停車を追い越すので、永福町では上り下りとも同じ編成のペアが並んで緩急接続することになり。そう、上りのときに急行で先行の各駅停車を追い越したら、渋谷からで折返して下りのときは、上りのときに追い越した編成に追い越される立場になり。

渋谷〜吉祥寺の12 kmあまりを各駅停車が30分弱、急行が17分程で走破するので、折返し時間を考慮しても、1時間でサイクルするようになっており。日中の井の頭線沿線で1時間カメラを構えると、その日の日中運用されている全編成に出会えるのである。

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【2023年12月31日12時04分】 京王井の頭線・三鷹台-久我山

続いてライトブルーの第21編成の渋谷ゆき各停。

実は、大晦日に撮ることにしたのは、カメラのテストも兼ねており。普段、あまり使っていない望遠ズームを取り付けて。
このレンズ、なぜか連写時にピントが甘くなることが多く、いままで何度も泣かされてきたレンズだったのである。レンズの特性かと思ったが、アレコレ、検討した結果、カメラ側の設定に...、まぁ、つまり、自分が何も考えずに使っていただけなのだが。

AFの設定を変更しての“試し撮り”でもあった。

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【2023年12月31日12時09分】 京王井の頭線・三鷹台-久我山

さらに、第24編成、サーモンピンクの編成である。
井の頭線車両の「レインボーカラー」、ステンレス車体になった3000系から導入され、現在の1000系にも継承されており。

この写真で貫通路のところに書かれているのは、渋谷方先頭車、5号車の車番。この数字から「1750」を引き算して、出てきた数を7で割った余りで車体色が決められており。途中、欠番があるが、この編成の場合、1750を引いたら「24」、24÷7 を計算すると「商が3、余りが3」、余りが 3 だと「サーモンピンク」になる。3000系のときからずっと変わらないルールなのである。

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【2023年12月31日12時16分】 京王井の頭線・久我山-三鷹台

そのルールで言えば、余りが「6」だと「オレンジベージュ」である。ちなみに、3000系のときは「ベージュ」だった。1000系も初期にはベージュだった時期があるのだが、写真に撮ると何だか目立たない色調で...
そんなこともあったのか、1000系の増備途中から明るい色調に変更されて。

お目当ての「90周年」マークが掲出されているのが、オレンジベージュの編成(第27編成)だと知っている分、近づいてくる電車が、この色だとちょっと期待してしまうのだが...

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【2023年12月31日12時20分】 京王井の頭線・三鷹台-久我山

大人のための謎解きイベント『鉄道探偵と氷点下2℃の幻影』というのが、3月まで行われており。そのヘッドマークを掲出しているのは第2編成、「アイボリーホワイト」の車体である。つい最近、検査出場したようで車体も床下もピカピカで...。

1時間待つ間に全7色「レインボーカラー」を一通り撮っていたのである。

そして...

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【2023年12月31日12時25分】 京王井の頭線・三鷹台-久我山

先ほど撮ったオレンジベージュの編成が吉祥寺駅で折返してきて...

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【2023年12月31日12時34分】 京王井の頭線・久我山-三鷹台

まもなく、「スキマモリ」が帰ってきたのである。これで運用は一巡、お目当ての編成は来てくれないまま... (つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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