2022.10 関西・九州へ(7)松浦鉄道西九州線 <前編>

いつも言っている通り、<変態鉄>は<変態野郎>である。列車に乗っている間は基本的にオーディオを聞いたり、あるいは、パソコンで...というのは、あまりしない。
特に、趣味活動で列車に乗っているときは、なおさら。車窓を眺めたり、車内の様子を観察したり...に時間を費やしている。

例えば、乗車率はどうか、多くの乗客が入れ替わる駅はどこか?? 珍しい駅舎をもつ駅は無いか?? など。車両だけでは無く、いろいろと観察してみることにしている。
そうやって、車内外の様子を観察していると、いろいろと気づくことがあって。

「鉄印帳」以来、3セク鉄道に乗ることが多くなったが、その中でも地元に定着して多くの乗客で賑わっている線区もあれば、また、その逆も。
ただ単に、乗客数の大小だけを見ているのではなくて、その乗っている乗客の雰囲気というか格好というか...

同じ趣味をしているから分かるのかも知れないが、<鉄>は車内で一目見て分かる“<鉄>臭さ”みたいなものがあって。そうした“同業者さん”や観光ガイドやマップを広げながらの旅行客が多い路線。
一方、地元の方が普段着姿で買い物袋を提げて乗ってくるのが目立つ路線も。意外なのは、中高生が私服姿で郊外のショッピングモールに出かけるのに当たって、車内が超満員とか。
どういう感じの乗客が多いのか...ということも観察する。

そして、3セク鉄道の大半の列車は整理券式ワンマン方式。途中駅で降りるときは運転士さんのところで運賃を支払う。その際、多くの乗客が現金で運賃を支払っている路線もあれば、1日フリーきっぷを見せるだけの乗客しかいない路線も。
そういったことを観察しながら、自分なりに、各路線が地域社会の中でどう位置づけられているのだろうか、と、興味をもって観察している。

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【2022年10月23日12時08分】 松浦鉄道西九州線・佐世保駅

この松浦鉄道西九州線、<変態鉄>の思っていたよりも多くの地元の方が利用していた感じ。特に長い路線の両端部は地元の方の短距離利用も多くて。
もちろん、この沿線地域も人口減少、過疎化の波は押し寄せているようで。でも、その中でも地域に根付いて頑張っているように見受けられた。
……  ……

2022年10月23日(日)晴れ

佐世保駅で1時間少々待っても良かったが、暑いのと眠いのと、何と言っても荷物が重いというのが“最悪”だった。

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【2022年10月23日12時12分】 松浦鉄道西九州線・第138D列車(MR-401号車)内

ということで、予定を変更して12:38発の第138D列車、途中の佐々までの区間列車である。
少し早めに乗り込んだので、車内はまだ閑散としており。

現有車の中で一番古い1998年製のMR-401号車である。この当時の新潟鐵工所製の車輌らしさがあり。車内はボックスシートとロングシートからなる。
ただ、暖色系のシートは、黒ずみそして色褪せて、古さは隠せなくなっている。

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【2022年10月23日13時26分】 松浦鉄道西九州線・佐々駅

発車時点で車内の乗客は20名ほどだっただろうか。高架単線で市街地区間を飛ばす感じ、ちょっと高徳線の高松市内の区間に似た雰囲気だろうか。
最初の佐世保中央駅で多くの乗降があり。ちょっと下町的な雰囲気、片面ホームの小さな駅だが列車の発車に合わせて女性の駅員さんが深々とお辞儀して列車を見送っていたのが印象的。

10年ほど前までは「3セク鉄道の優等生」と呼ばれたというのも納得。日中の列車でも立ち客がでるほどの乗客。左石駅、そして、バス停みたいな名前の「大学」駅とまとまった数の学生・生徒さんの乗車。
ちなみに、大学駅は長崎県立大学の最寄り駅だそうで。3セク転換以降に全部で20近くの駅を増設したこともあって、駅間距離は比較的短く、ベビーカーを押した若い家族連れも乗っていて、途中駅での乗降もあり。
自分のような旅行客は少数派というところが他の3セク鉄道から見たら、きっと羨ましいところでは??

佐々までの区間は、佐世保のベッドタウン的な広がりで旅客需要も旺盛なようで。そういえば、長崎空港からの佐世保駅ゆきリムジンバスも佐々バスターミナルを行き先としているし、佐世保発着の高速バスの中にも佐々経由という便は多く。
それでも、相浦駅を過ぎたあたりから沿線の家屋も減って徐々にローカル線の車窓に。

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【2022年10月23日13時27分】 松浦鉄道西九州線・佐々駅

佐々駅までは40分ほど。国鉄時代には、さらに、ここから臼ノ浦線が分岐していた...とのことで。2面3線の線路配置。ログハウス風の駅舎へは構内踏切を渡って。

3番ホームが駅舎に一番近くにあるのは、やはり、転換後に駅舎を移転しているため。
そして、佐々の中心街まではちょっと離れているみたい。駅前にはあまり目立った商店などは無くて。

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【2022年10月23日13時25分】 松浦鉄道西九州線・佐々駅

その代わり(?)、駅に隣接して車両基地があるみたい。先ほど乗ってきた最古参車のMR-401号車は、折り返すのかと思っていたら乗客を降ろしたら、すぐに入庫。
ちなみに、同社の本社は佐世保になっているような。3セクで車両基地と本社の所在地が違うところというのは珍しいかも。尤も、佐世保中心部は車両基地をおけるようなスペースは無いが。

切り身にされた、初期の、80年台~90年台くらいの新潟鐵工所製と思われるDCの車体が。良~く見れば方向幕には「ひかり 博多」が入っている。

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【2022年10月23日13時27分】 松浦鉄道西九州線・佐々駅

ちょうど13:26発の第141D列車はMR-604号車。このMR-600形が今の主力車みたい。真岡鐵道の車両と同じつくりで日本車輌製。これが21両あって、もちろん現在の最大勢力。
白基調の車体塗装、アクセントカラーは各車で変えてあるようで。

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【2022年10月23日13時56分】 松浦鉄道西九州線・佐々駅

てっきり、先ほどのMR-401号車がそのまま折り返すと思っていた佐々始発の佐世保ゆき、13:56発の第141D列車はMR-501号車「レトロン」号での運転。
こちらはイベント対応車ということみたい。1999年製でMR-401号車とは1年違いだが、検査周期の違いだろうか?? こちらの方がキレイな感じがして。

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【2022年10月23日13時58分】 松浦鉄道西九州線・佐々駅

松浦鉄道西九州線の前身は国鉄松浦線。ちょうどこのあたり、北松浦半島沿いも昭和の頃は炭鉱があって、この路線も石炭輸送で賑わったとのこと。開業自体は昭和初期で、この佐々駅は駅舎が建て替えられているので目立たないが、ホーム上は昭和の頃からの「国鉄駅」の雰囲気をよく残しており。
木製のホーム上屋など堪らないアイテムも...

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【2022年10月23日14時09分】 松浦鉄道西九州線・佐々駅

その「レトロン」号が発車していくと、ようやく、伊万里ゆき第340D列車である。MR-602号車の車内は比較的空いており。

さぁ、この列車でたびら平戸口駅へ。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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