2021.11.28「キハ532号40周年 体験&撮影会」(9)

既に2月も終わって。
結局、この1ヶ月、カメラを触ったのは井の頭線で試し撮りをした1回だけだった。自分のような腕前の人間では、1ヶ月も撮らないと、次にカメラを構えた時には“ケツ切れ撃沈”とか、それ以前に、カメラの設定を間違えて写真が撮れない...みたいで、初心者でもやらかさないような、とんでもないミスを連発するものなのである。
だから、<変態鉄>自体の“性能維持”の面でも時折、撮っていないとダメなのだが...
今年の関東地方は天候には恵まれているものの、この時期は仕事が兎に角、ドタバタで。たまの公休日、“出撃計画”は立てていても、近場への日帰りでの撮影行なら、当日の朝、起きられなかったり、起きても面倒くさくなって二度寝したり...。

数年前までは、前日、仕事で深夜までかかっても“出撃”となれば、朝3時でも4時でも平気で起きることができた。最近は...
気持ちとしては、いつまでも若いつもりで居るが、それでも40代も中盤に差し掛かると知らないうちに体力が衰えてきているのだろうか。実は明日の朝も“出撃予定”だった。房総の、あのディーゼルを...

ただ、いまは、ちょっと無理を避けようと...。
ということで、明日はキハを撮る代わりに会社へ“臨時出社”。溜まっている仕事をやっつけてくる予定になった。

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【2021年11月28日9時57分】 関東鉄道竜ヶ崎線・竜ヶ崎駅

ということで、ブログの方は遅れている昨年の撮影記を。11月28日の関東鉄道竜ヶ崎線キハ532号車のイベントを。でも...

前に書いたように、このイベントでは最初の撮影会だけ、ちゃんと撮って、後は説明を聞きながら動画で記録していた。その動画から切り出した写真を使って記事を書いているのだが...。
動画を見ながら説明を聞いていると、いろいろ...
「キハが好き」と言いながら、メカに疎い<変態鉄>。

燃料タンクの軽油がどのようになってエンジンで動力に変えられて、それがDT22台車にどうやって伝えられて...、それとは別にサービス用電源はどうやって...。
普段、キハの整備を担当されている現職のプロの皆さんが、実物を1つ1つ指差しながら、分かりやすく、時にユーモアを交えて説明してくれて。
貴重な経験だったのだが、その映像を見直してみれば...
……  ……

2021年11月28日(日)晴れ

この日は真っ青な空、まさに快晴だった。

「エンジン始動体験」と同時進行だったことも関係して、キハの室内灯は消された状態になっていたので車内では困るほどでは無くても薄暗かった。
普段、EOSで動画を撮ることなどない<変態鉄>、動画モードを使うのは“ぶっつけ本番”で。露光もフォーカスも全部オートのままで撮影していたのだった。

だから...

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しばらくカメラを向けていると自然にピントが合うみたいなのだが、車内のエンジン点検蓋を開けると、

  陽射し届いて輝いている床板 -- 真っ暗なエンジン回り -- 冬の陽射しが届いている線路とバラスト

被写体は真ん中の、一番、暗い部分で。
まさか、わが愛機、EOS R6も、まさか、<変態鉄>が暗いエンジン部分を撮ろうとカメラを向けている...とは思わなかったようで。動画の半分は前ピン。床板にピントが行っており。

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あと半分くらいは床板の点検口から見えるレールとバラストにピントが合っていて。

だから切り出す画がないのである。
説明が終了した後、少しだけ車内でのフリータイムのような感じになって。そのときにエンジンまわりを少しだけ撮っていた。あと、ほんの少しだけ切り出せた画があって。

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【2021年11月28日11時30分】 関東鉄道竜ヶ崎線・キハ532号車内

そもそも、縦型エンジンDMH17Cはピストンが上下方向に動き、その上部、吸気弁と排気弁、それを動かす動弁装置...カム軸が最上部に、つまりキハの床下のすぐ下に付いており、その調整のために床板に点検蓋があって。

「付いているものを塞ぐとなれば、また、それはそれで...」
横型機関に交換したタイミングで、この点検蓋は“お役御免”、エンジン交換は「10年ほど前」とのことだったが、それ以降は開けることもなくなり。
このイベントのために、久々に確認したら床のワックスで固くなっていたものの開けることができた...とのこと。そう、いまどきのキハの横型エンジンを車内から見学する...というのはフツーには絶対に不可能なことで。

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その点検蓋を支える桟のようなものの下に見えている部分が...ヘンなところだけピントが合っている画が見つかるのだが...発電機である。DMF13HZエンジンとベルトを介して繋がっており、その回転で発電して車内のサービス電源を賄っている。

本当はセルモータが回ってエンジンが動き出すところから、燃料がタンクからの1本の配管を通ってきたものが6本に分かれ、燃料噴射ポンプにより6本のピストンに...
その流れを1つ1つ説明してくれたのだが...

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そんな中、動画から切り出せたのは、トルコンの銘板??
エンジンの横に液体変速機が見えており。これも国鉄の廃車発生品ではなく、後天的に交換されているものだが...

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【2021年11月28日11時32分】 関東鉄道竜ヶ崎線・キハ532号車内

エンジンで作られた動力は液体変速機(トルコン)に伝えられる。変速機の中にはギアやクラッチが入っており。構造としては「(MT車より)オートマに似たような仕組み」とのこと。
内部には3個の羽根車が入った構造で、液体で満たされており、エンジンの回転をその液体を通じて羽根車に伝えている。そこが液体で満たされているから、滑っても問題なく、むしろ滑るおかげでエンジンをかけたときに、ガツンと来てロックして止まってしまうことを防いでいる...と。
「教習所で皆さん、一度はエンストさせたでしょう!?」と言われて、ドッと笑いが起きて。やはり、キハの構造の説明はクルマに喩えて行われることが多く、コレに困ってしまう<変態鉄>なのである。
中にはATF、乗用車のオートマ車用に使われるオイルと基本的に同じもの...とのこと。

ここから推進軸が前に向かって伸びており。

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【2021年11月28日11時33分】 関東鉄道竜ヶ崎線・キハ532号車内

外からも見学したが竜ヶ崎側が動台車DT22を履いており。その内側の車軸まで推進軸が伸びているのである。
その先に見えているのが逆転器。運転台にある逆転ハンドルを操作することで、電気信号で台車の近くの電磁弁へ、そこから空気の力で中の小歯車が左右に動いて。推進軸の歯車との噛み合わせをかえることで列車の進行方向を変える構造。
実際に運転台の逆転ハンドルを操作して小歯車を切り替えるシーンを実演。もちろん、車軸のところで起こっている歯車の動きを実際に見ることはできないが、非常時にそれを手動で動かすテコが左右に動いているのを、点検口からしっかり確認することができた。

「前進で(時速)90キロで走れるということは、後進でも(時速)90キロで走れるんです。怖くてやりませんけど」
歯車の切り替えで前後進を切り替えているので、前後とも同じ走り方になるのが自動車とキハの違いと。

なお、逆転器と変速機が独立に付いているのも、旧タイプのキハに限られてきており、竜ヶ崎線でもキハ2000形では、こういうシーンを見ることはできず、常総線でもあと数両になっている。

普段は何となく乗って撮って...で「国鉄世代のキハは素晴らしい!!」と軽薄に喜んでいる<変態鉄>だが、こういう風に車両構造の面からキハの特徴を教わると、撮りに行くのが楽しみになるのである。

あぁ、明日は“出撃”から一転、“出社”という、最悪のパターン。(つづく)

(※)動画から切り出した画像を使っているため、写真が見づらくなっています。ご了承ください。そのうち、画質の良い静止画像の切り出し方が分かったら、写真を差し替えます。
(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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